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「OpenLiteSpeed」でWordPressを試してみた

公開日:2022年04月12日 カテゴリー:TOPICS タグ:

LiteSpeed/OpenLiteSpeedとは

皆様がご覧になっているこのブログや、弊社サイトも、「Webサーバー」というサーバーソフトウェアがコンテンツをブラウザに返すことで成り立っています。

Webサーバーソフトウェアとしては、有名なソフトウェアとして「Apache HTTP Server」「nginx」「IIS(Internet Information Services)」が挙げられます。
今回紹介する「LiteSpeed」[※1]は、昨今、徐々にシェア率を伸ばしているWebサーバーで[※2]、以下のような特徴があります。

●「イベント駆動モデル」設計のサーバー。
○サーバーマシンに対し低コストなリソース消費となる特徴。

●LiteSpeed管理のための「WebAdmin GUI」が標準で用意されている。
○専用のURLにアクセスすることで、ブラウザ上からWebサーバー管理が可能。

●Apacheのmod_rewriteの文法に対応。

また、ページのキャッシング機能にも力を入れており、WordPress高速化のための専用プラグインも用意されています[※3]。

なお、LiteSpeedは、エンタープライズ版(有償版)と、オープンソース版(無償版:GPLv3)が存在します。これらを区別するために、オープンソース版は、「OpenLiteSpeed」と名付けられています。
オープンソース版である「OpenLiteSpeed」は、有償版と比較すると一部機能が制限されており、Apacheの設定ファイル直接読み込みや、.htaccessのフルサポート等の機能が利用できません。個人的には、.htaccessのフルサポートを試してみたかったのですが、基本的な機能は利用できます。その他、細かな機能比較は公式サイトにまとまっています[※4]。

OpenLiteSpeed + WordPressの導入


オープンソース版である「OpenLiteSpeed」を実際にインストールし、WordPressのインストールまで行ってみました。簡単に手順とともに、気になった点を紹介したいと思います。
今回は、CentOS8の環境にインストールしてみました。

・OpenLiteSpeedのインストール

インストール方法はいくつか用意されていますが、CentOS, Debian, Ubuntu, Amazon Linuxのディストリビューション向けに用意されたリポジトリからインストールする方式で行いました。
CentOS8では、下記のコマンドで簡単にインストール、起動ができます。

# rpm -Uvh http://rpms.litespeedtech.com/centos/litespeed-repo-1.1-1.el8.noarch.rpm
# yum install openlitespeed
# systemctl start lsws

細かな手順や、他のディストリビューションの場合は、公式サイトをご覧ください。
https://openlitespeed.org/kb/install-ols-from-litespeed-repositories/

・WebAdminコンソールへアクセス

OpenLiteSpeedの設定は、前述の通りブラウザからアクセス可能なWebAdmin管理画面が用意されています。
デフォルトで、 “https://[サーバーIPアドレス]:7080” でアクセス可能です。ただし、管理画面の初期管理者アカウントがデフォルトのままでは好ましくないため、下記コマンドにて変更しておくことをお勧めします。

# /usr/local/lsws/admin/misc/admpass.sh

正常にログインできると、下図スクリーンショットのようなコンソールが表示されます。

WebAdminコンソールでは、サーバーの各種設定のほか、サーバーのフィードグラフや、エラーログ表示等を閲覧することもでき、非常に便利なツールとなっています。

・PHPのインストール

LiteSpeedでは、PHPの実行方法として、LiteSpeed向けに最適化された「LSAPI(LiteSpeed Server Application Programming Interface)」という方法が準備されています[※5]。”yum”といったパッケージ管理コマンドからインストールすることもできますが、WebAdminコンソール画面上から、コンパイルオプションを指定して、インストールスクリプトを生成することができます。

4ステップでPHPのコンパイルオプション等を指定したインストールスクリプトを生成できます。
最後のインストールスクリプトの実行(ステップ4)は、セキュリティ上の理由で、実際にサーバーのターミナルから、スクリプト実行する必要があります。

コンパイルオプション等を指定したPHPインストールが必要な場合は、GUI上で指定ができるこの機能が便利かもしれません。

・データベースインストール/WordPressインストール

データベースのインストールや、WordPress自体のインストールは、一般的なインストール手順で進めることが可能です。本記事では割愛します。

・LiteSpeed Cacheプラグインのインストール

WordPressのインストールが完了したら、LiteSpeedでのWordPress高速化の恩恵を受けるため、「LiteSpeed Cache」プラグインをインストールします。
WordPress管理ユーザーでWordPress管理画面にログインし、「プラグイン」メニューから先のプラグイン名で検索を行うことで、簡単にインストールできます。

WordPressサイトの速度は・・・?

今回、同一スペックのサーバーにて、Apache上のWordPressサイトと、上記手順で構築したOpenLiteSpeed上のWordPressサイトを構築し、実際にアクセスしてみました。
お試しで行ったため、ほぼインストール直後のサイトで、かつ、数値での比較は行っていないのですが、OpenLiteSpeed上のWordPressサイトは、キャッシングの働きもあり、ページ間遷移がとても高速に感じました。コンテンツが多いサイトでは、体感速度がとても早くなるのでは、と期待できます。

また、LiteSpeedのWebAdminコンソールでは、「バーチャルホストテンプレート」機能があり、その名の通り、バーチャルホスト設定をテンプレート化しておくことが可能です。この機能により、類似設定のWebサイトを展開することが従来のWebサーバーと比べ手軽に行えると感じました。

WordPressサイトでは利用検討も一考

今回、OpenLiteSpeedの簡単な紹介と、実際にWordPressのインストールまでを試してみました。
OpenLiteSpeedでは、有償版と比べ機能制限はあるものの、GUIでサーバー設定管理できるWebAdminコンソールや、WordPress高速化のプラグインが提供されるなど、魅力的な機能があります。
特に、WordPressサイトでは、体感でもページ遷移が高速に感じられ、WordPressサイトを多く扱うサーバーでは、利用検討、乗り換え検討も良いように感じました。

有償版では、「QUIC」といった比較的新しいプロトコル等も実装されているようなので、今後もLiteSpeedの動きをみていくのも面白いように感じました。

記事作成日:2019年12月19日


[※1]  LiteSpeed公式サイト
https://www.litespeedtech.com/

[※2] Usage Statistics and Market Share of LiteSpeed, December 2019 – W3Techs
https://w3techs.com/technologies/details/ws-litespeed

[※3] LiteSpeed Cache for WordPress
https://www.litespeedtech.com/products/cache-plugins/wordpress-acceleration

[※4] Compare LiteSpeed Web Server Editions – LiteSpeed Technologies
https://www.litespeedtech.com/products/litespeed-web-server/editions

[※5] LiteSpeed LSAPI
https://www.litespeedtech.com/open-source/litespeed-sapi

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